Ultimate Justice プロローグ 日記


 今日で、俺は地球圏連合共和国軍アジア地区防衛隊に入ってから3年目を迎えた。
 いつものように、同僚のミカとキムの3人で基地へ行くと、常に笑顔なことで有名な司令官が珍しく真剣な顔をして「司令室へ来い」とだけ言ってきた。俺は、なにも悪いことをしていないぞと思いながら、キムとミカと共に司令室へ向かった。
 司令室へ付くと、司令官は突然話し始めて、『1階級特進で大統領を護衛する「大統領護衛隊(PED)」に転属してくれないか?』とだけ言った。ミカとキムは、リナ大統領のファンでもあったから即答していた。
 俺が躊躇していると、司令がPEDが所持しているモビルスーツデータを見せてきた。それを見た途端、これは行くしかないと決断した。
 
 無類のモビルスーツ好きの俺を納得させるには充分過ぎた。何て言ったって、URES最新鋭MS『ジェスIII』の先行量産型が配備されているとのことだ。
 まぁ、リナ大統領を間近で見たいというのも、俺を決断させた多くの理由の一つでもあるが・・・。

 リナ・ジュミリン大統領。彼女は、若干18歳にして何とURESの大統領になってしまった。彼女が打ち出した政策、特に「地球開放政策」はスペースノイドだけでなく、俺たちアースノイドの度肝を抜いた。

 地球圏連合(URES)の法律によって、半世紀近くもの間スペースノイドが地球に下りることは、ほとんど出来なかったからだ。地球と宇宙を行き来できたのは、URES軍人か地球生まれの特権階級ぐらいだ。その法律が出来た背景は、太陽系連邦を崩壊に導いた「ニュータイプの反乱」の余波と、スペースノイドに対する警戒心からだと俺は思う。その法律をいきなり廃止してしまうのだから、彼女の行動力には俺も驚かされた。今は、彼女のおかげでURES市民であれば、誰でも地球に下りることが出来るようになった。

 就任当時から、その美貌で多くの男女を魅了したリナ大統領は、この政策を期に凄まじい支持を市民から得るようになった。リナ・ジュミリン・ファンクラブというのも出来たぐらいだ。ミカとキムは入っているらしいが・・・。

 彼女は色々な改革を発表し続けている。でも、今だに大勢いる地球中心主義者たちが、それを何とか阻もうと奮闘しているのも確かだ。
 
 大統領護衛隊では、一体何をするのだろうか?ジェスIIIも早くこの手で動かしてみたいものだ。

「クラスト・ミリングの日記」より抜粋
EP0044.3.1

第1話 新たなる戦乱へ
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